ギターソロで映画音楽

 今週のYouTubeは、映画音楽を2本。映画音楽シリーズの最初は、2年前の『太陽がいっぱい』だったか。ちょうどその頃この曲をレッスンしていた生徒さんのために録った覚えがある。今回の2曲、『ゴッドファーザー』からの「愛のテーマ」も、『メリー・ポピンズ』からの「チム・チム・チェリー」も、編曲は竹内永和さん。二週間前に投稿した『鉄道員』も含め、同じ曲集『ギター・ソロ 映画音楽名曲集』(現代ギター社刊)に収録されている。すべて竹内さんの編曲で、収録曲は20曲。

 写真に写っている第2集、第3集は比較的最近買ったものだが、表紙のデザインが違う最初のものは、いつ買ったかは覚えてないが、1992年の初版。30年経った今でも、表紙のデザインは変わったが販売は続いているので、人気の曲集なんだろうと思う。実際、収録曲はお馴染みの曲が揃い、何より編曲がいい。これは完全に好みではあるけれど、私はずっと竹内さんの編曲ものが好きで、レッスンでも、ちょっとした演奏の場でもよく使わせてもらってきた。ことにこの映画音楽名曲集には、ながらくお世話になっている。

 竹内さんの編曲のどこが好きかというと、まずクラシックギターの奏法を活かした編曲だということ。映画音楽やポピュラー音楽をギターソロ用に編曲した曲集はいろいろあるが、竹内さんの編曲は、弾いていると「あ、これはクラシックギターの人の感覚だな」と感じるところが随所にある。ソロギターというのは、必ずしもクラシックギターに限られず、いわゆるアコギでソロを演奏する人もいるし、あまり多くはないけれどエレキギターでソロ演奏する人もいる。調弦が同じならどれも同じようなものだろうというのは、ある程度正しいけれど、現実を反映していない。

 詳しいことは手短にはまとめられないけれど、とにかく竹内さんの編曲はクラシックギタリスト向きなのだ。そしてもう一つ、難しすぎないこと、これも大事なところ。ちょっと気楽に弾ける、というのがいいわけだ。クラシック音楽の世界は、今でもまだ堅苦しいというか険しいイメージがあって、それはそれで技術的な困難を乗り越えた先にある、容易に到達できない表現の境地というものは、ある。それはそうなんだけれど、いつもいつもそればかりでも疲れる、というところ。これもまた好みではあろうけれど、私はこの「ちょっと気楽に弾けるアレンジ」というのが好きなんだと思う。

 竹内さんは今も現代ギター誌上で毎月編曲を載せていて、曲集もたくさんある。そのすべてに目を通したわけではないけれど、きっと今後もレッスンに自分の楽しみに、折にふれて弾くだろうと思う。クラシックギターを弾いている方々にも、おすすめです。上級者でなくても弾けるアレンジが、たくさんあります。

 

この記事をシェアする
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次