まだまだ試す弦選び

 2月に入院したメインのギター、アントニオ・マリン・モンテロが戻ってきた。修理の詳細や感想については別に書くとして、まずは戻ってきたギターの弦を交換。修理の間は弦を外していたこともあるので、新しい弦を張って落ち着いたところでどんな風に変わったかを見ていこうと思っている。

 で、弦は何を? ということなのだが、これまで書いてきたようにラベラのエリート900-Bはたいぶ気に入ってきているので、まぁこれでよし。それなら、写真に写ってる他の弦は何のため? と思われるでしょうが、それはまずレッスン用のサブ・ギターのため、そしてもう一本のメイン・ギターのため。アントニオ・マリンにはラベラを、レッスン用のサブ・ギターにはアランフェスを、もう一本のメイン・ギターにはハナバッハのローかスーパー・ローを、というのが内訳。

 ラベラが気に入ったなら、全部それでいいんじゃない?…という声も聞こえてくるけれど、ほかのギターには違う弦を張ってみようと思う理由の一つは、弦のもち。ラベラのエリート900-Bは低音弦が研磨弦で、おかげでフィンガーノイズが激減するという大きなメリットがある代わりに、もちは悪い。これは研磨弦の常で、今まで使った研磨弦も同様だった。なので、そこまでフィンガーノイズを気にしないなら、違う選択もある、ということ。で、アランフェス。この弦は、実は初めて使うのだが、GG学院の教室の置きギターに今月張られていたのがこのアランフェスで、なかなかいいなと思ったのがきっかけ。なんとなくスペイン製の弦だと思っていたが、ラベラと同じくこれもアメリカ。自分のギターに張るのはこれが初めてなのでどうなるかはまだわからないけれど、教室のギターの感触では、ラベラに似たちょっと太めの暖かな音色に感じたので、そこを期待している。ラベラにも研磨弦でないセットがあるので、そちらを試してもいいとは思うが、まずはちょっと気になったアランフェスを試してみることにした。

 ハナバッハを張るのは、もう一本のメイン・ギター、モーリス・オティガー。このギターについては以前、現代ギター誌上で取材を受けていて、増刊号『愛器を語る』としてまとめられているのだが、実は今回のアントニオ・マリンの修理の際に、こちらもメンテナンスをお願いしていた。で、一緒に上がってきたオティガーにはハナバッハ、というわけなのです。オティガーにハナバッハ、というのは以前からよく合わせていた組み合わせなのだけれど、今回はまず緑色のロー・テンションのセットを張ることに。

 去年の11月辺りから、もう数ヶ月に渡っていろいろと弦に惑う日々が続いてまだ終わらないわけで、なぜこんなことになっているのか考えてみると、久しぶりにいろんな弦を試してみたら楽しくなっちゃったというところ? 我ながら意外な展開ではあるけれど、自分の好みの変化も感じることができて、なかなか面白い。この一ヶ月はレッスンもYouTubeもギター一本で過ごしたが、これからしばらくはまたあれこれ惑い尽くす日々になりそうな気配…。

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