麗しのネイル男子

 クラシックギターを弾く人間にとって、何かと厄介なのは爪の手入れ。長さや形は人それぞれ、好みや弾き方によっていろいろな考えがあると思う。が、基本となる爪の健康は、誰にとっても大切…なはず。この冬は一度も爪を割ることなく過ごすことができて、何か達成感すら感じていたのに、4月に入って少し状態が悪い感じがし始め、ついに先日親指の爪にヒビが入ってしまった。「状態が悪い感じ」というのは、ひとつにはササクレ。なんかササクレができてるな、嫌だなぁと思って、ハンドクリームの回数を増やしてケアしていたのに、まぁこういうことは症状が出てからでは遅いのはいつものことで、やっぱりヒビ割れてしまった。

 仕方ない、もう10年以上も通っているネイルサロンに連絡して、早速補修してもらい、写真に写っているようにきれいに直してもらった。もともと手が乾燥しやすくて冬はいつも手荒れがひどかった私は、冬はよく爪を割ってしまっていて、ネイルサロンに通うようになったのも、爪の補修をお願いしたのが始まり。それ以前は定番のアロンアルファ補修だったり、つけ爪を試したり、あれこれやっていたけれど、利き手である右手の爪を補修するという作業はなかなかに難しく、うまくいかないこともしばしば。そんなわけで、ネイルサロンなるものに足を運んでみたというわけで。女子力マイナスレベルの私のような人間にとって、ネイルサロンという場所の敷居はかぎりなく高かったけれど、本当に「勇気を出して」出かけてみたところ…。

 サロンのおねえさんたちはとても優しく、いとも簡単に爪を補修してくれた。しかも、たった千円くらいの料金で。見た目もきれいだし、丈夫だし、こんなありがたいサービスがあったのね…ということで、その後はハンドケアということで定期的に通っている。臨時の補修だけ利用することもできるけれど、定期的にケアを受けていると安心感があるし、何より案外楽しかったので。

 ところで、ネイルサロンでは時々男性のお客さんと一緒になることがある。もちろん身だしなみとしての男性のネイルケアは歴史もあって、特に今どきの男性はおしゃれな人が多いから…とは思うものの、女子力マイナスレベルな私が言うのも失礼ながら、必ずしも「いかにもおしゃれ」な感じの男性ばかりでもない。そんなわけで、ネイルサロンの男性事情をネイリストの方々にきいてみると…。

 まず私同様、ギター弾きの方々は結構来ているらしい。いわゆるアコギを指で弾く人などは、補修というより最初からつけ爪感覚で爪を加工したりもしているとか。スチール弦だから、かなり爪が傷むのだろう。ほかに、よく聞くのは野球部員。ちょっと驚くけれど、野球のピッチャーは指先でいろんな細かい作業をしているので、指先や爪がとても大事なのだそう。たしかに、時々指や手の皮が向けたといってピッチャー交代することがあるので、そういったトラブルの予防に普段から手入れしているということなのかな。それでも、コーチに言われたのか、野球部員が数人並んで「よろしくお願いします!」と体育会ノリで来店するのは、なかなか壮観ですよ…とのこと。たしかに、ちょっと微笑ましいというかなんというか。一度出会ってみたい気もする。

 身だしなみを気にする営業職かな、といった感じのスーツの男性は時々見かけるが、最近聞いた意外なネイル男子は、柔道家。柔道は、道着をつかんではなさない握力が大事、というのは経験者から聞いたことがあったけれど、その「つかんではなさない」手の力を助けるのが爪、なのだそうで、そのためのお手入れにサロンを訪れるとのこと。あんないかつそうな方々が…と想像するとなかなか面白い景色だけれど、まぁあまり人のことは言えない。

 同じようにスポーツマンでは、水泳の人も来るとか。水をかく手の爪の力は、やはり大事なものらしい。クラシックギターのように直接爪を使う場合はわかりやすいけれど、爪って結構大事なんだな~と感心。クラシックギターを弾く交友関係ではネイル男子は今のところ聞かないけれど、爪のトラブルに悩んでいる方々には、ネイルサロンはまさに救世主。いちど足を運んでみてください。

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