引っ越しを終えてもう二年も経つのに、なかなか新しい生活は落ち着かない。なかでも大事なはずのオーディオ環境が落ち着くまでに、意外と時間がかかってしまった。まだ一件落着というほど安定した環境とも言えないのだけれど、今年はそれなりに買物もして、考えもして、引っ越し前とはちょっと違った環境を構築できたので、覚え書き程度に書いておく。
肝はRoon
まず、我が家のオーディオ環境の肝は、Roon。知らない人はこんな記事を読まないかもしれないけれど簡単に説明すると、デジタル音源やストリーミングサービスをまとめて管理・再生し、ネットワークを通じて家の中のさまざまなオーディオ機器で聴けるシステム、とでも言えばいいだろうか。もう10年くらい、Roonが登場して間もない頃から使っている。音源は手持ちのCDをリッピングしたデータと、今は配信のQobuz。家にいくつかあるオーディオシステムをどれも同じ使い勝手で使え、同期再生もできる。ミュージシャン情報が詳しく、ライナーノートを読んでるような感覚で使えるところが気に入っている。
OTTAVA f:一体型プレーヤーの衝撃
さて、引っ越しに伴って住環境は大きく変わり、前の家から持って来たオーディオシステムは一部はそのまま使えたが、前と同じようには使えないものも出てくる。そんな中でまず新たに導入したのは、TechnicsのOTTAVA f。レッスン室に置く、コンパクトながら十分高音質なプレーヤーということで決めたものだ。もちろんRoon対応であることも決め手の一つで、今年に入って買った。コンパクトな筐体からしっかりした音で再生できるし、何より本体のみでRoonに対応できるというのが実は初めての体験だった。
もう10年もRoonを使っていると書いたけれど、いわゆるスマートスピーカー以外のピュアオーディオ的システムでは、今までRoonに対応させるためにラズパイ、Raspberry Piを使っていた。10年も前の話なので、ラズパイ3Bというものだ。ラズパイも当時注目され始めていて、活用法の一つとしてよく話題になっていたのがラズパイオーディオだった。ちょっとした工作とコンピューター好きの私は当然これに飛びついて、Roon端末として試行錯誤の上、最近までVolumioをインストールして使ってきた。Spotify対応端末にもなるし、大きな不満はなかったのだが、システムのアップデートで時々不安定になってしまい、一からやり直し…みたいなことがたまにあるのがちょっとした不安のタネではあった。
そんな中、初めて導入したOTTAVA f。使い始めてすぐに、音の良さはもちろんのこと、本体一つで完結するRoon対応オーディオという、いわゆるネットワークプレーヤーの便利さを実感した。我が家はミニマリストが見たら逃げ帰りそうな家だが、モノが多いのが好きなわけではもちろんない。小柄でシンプルな一体型のネットワークプレーヤーで、我が家にもちょっとした新時代?到来というわけだ。それに、わりと好きではあるものの、DIY系デジタルガジェットの常として、音が出るまでにあれこれと設定の試行錯誤があるのにも、慣れはするもののいい加減飽きてくる。なので、そんな苦労がゼロなのもうれしかった。
秘密基地にSTEREO 70s
これで気を良くしたわけではないけれど、次なるお買い物はマランツのSTEREO 70s。これは、「秘密基地」と名付けている自分の部屋に置くために買った。もともとマランツのPM8004を長らく使っていたのだが、最近ちょっとガリが出るようになって、候補に挙がったのがSTEREO 70s。PM8004は2012年か13年に買ったものだと思うので、ずいぶん長く働いてもらったし、この際修理よりは今どきのネットワークプレーヤーを導入してみようと思った。
実を言うと、この選択にはAI、Geminiのお勧めもあった。ガリが出る原因はおそらくスピーカーよりアンプじゃないか…という見立て。いろいろ相談するうちに、後継機としてSTEREO 70sに白羽の矢が立ったというわけだ。価格帯から見ても、発売当時のPM8004の位置づけに近いものかと思うけれど、そもそも今はPM8004のようなシンプルなプリメインアンプというのは、他のブランドを含めて製品が多くない。Geminiのお勧めではあったが、自分でいろいろ調べてみても面白そうな製品に思えたので、導入を決めた。
OTTAVA fで一体型ネットワークプレーヤーの便利さは体感していたが、STEREO 70sはただのネットワークプレーヤーでもない。HDMI入力を6つも持ち、AV機器のハブとしても使える。こういう機器にも以前から興味はありながら、ホームシアターを構築するスペースもないし、なかなか導入には踏み切れなかった。STEREO 70sは2ch用でAVアンプとは言えないし、実際に使ってみるまでHDMI入力がどのように活用できるのか使い勝手に不安はあったが、結果的に私の環境ではこれもとても便利だった。まず今のところは、FireTVスティックとBDレコーダーとゲーム機(Switch)を接続してある。実はHDMI出力先のテレビにはサウンドバーをつないであって、ただテレビを見るだけの時にはそちらから音が出るようにしてある。
結局、Roonからの再生を選べば普通にオーディオアンプとして機能するし、FireTVから出力すれば配信の映画などをSTEREO 70sにつないだスピーカーからの音で聴くことができる。しかも、スピーカーは二組接続できて、テレビ横とデスク横に一組ずつスピーカーを置いている私としては、それもありがたい。スタンバイ状態でもリモコンで入力を切り替えられるため、「ゲームはサウンドバーで手軽に」「じっくり聴きたい時だけアンプをオン」といった柔軟な運用ができる。これは下調べして考えていた通りだったが、実際それが実現できたときは、「融通が利くなぁ!」と感心した。
そうそう、PM8004で出ていたガリは、なくなった。そもそもその対策だったのだからこれはひと安心だったが、これ一台でHDMI切替もできてしまうわけで、しかもすべてリモコンで操作可能。「秘密基地」に必要なAV関係の操作をすべて担ってくれる、期待以上の便利さだった。
というわけで、ここで使っていたラズパイ3は引退決定。これで我が家からラズパイ3によるRoon環境は消えるのかと思いきや…。実はそうでもないという話も書いておきたいが、とりあえず今日はここまで。続きはまた後日。
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